「実は【ラストのテレサ非実在説】から延長して、【古代だけが見ている人間は存在しない説】に至った」
「その心は?」
「動力炉から戻る途中の敵兵は存在しない。古代が見た幻」
「えー」
「そして、どう見ても既に目を開けて死んでいる滑走路上の加藤も古代には生きて戦っているように見えた。死んでいるユキが目を開くようなものだ」
「そんな」
「更に帰還時の滑走路上の戦闘は存在しない。古代が見た幻」
「なぜ幻だと思うんだい?」
「実はあの戦闘は不自然なんだ。反撃しているのはせいぜい加藤一人しかいないか、既に加藤が死んでいるとしたら誰も戦っていないのに彗星帝国兵は撃ちまくっている。変なのだ。あれだけ撃たれて加藤の機体だけ飛べるのも変。しかし、全ては古代が見た幻だとすれば辻褄が合う」
オマケ §
「加藤の機体は単座だが、戻ると三座機の銃座にいる」
「矛盾?」
「単に乗り換えたと思えばいい。前方固定機銃は着陸しちゃうと無力」